曇り空の冷たい風に吹かれながら歩いて見ると、小さな草の花があちこちに咲いていました。
田舎で草は目の敵にされ、生やしておくよりはと除草剤までかけられていますが、これは母なる大地をおおう衣です。

以前、生える草を根こそぎ抜かずに、伸びて苦情を言われそうになったら刈って上に倒しておくようにしてみたことがあります。
そこは最初堅い地面でとがった石だらけ、スギナしか生えませんでした。住んでいるのは、ナメクジと大きなムカデです。

数年するとスギナに混じって別の草が生え始め、徐々に種類が変わっていき、途中オオバコだらけになりました。それを超えると、次第に柔らかい草が生え始めます。
ハコベやスミレが生え、住んでいる虫もダンゴ虫・はさみ虫・バッタなどになる頃には、土は軟らかくほっこりしたものになっていて、鳥が落としていく種から色々なものが生えました。

本当に良い土になるには10年かかります。
どんな草も、人のようにそこを占領して自分のものにし、決してゆずらないなどということはしません。宇宙のあり方に従い、自分がそこで生きることによって養分の欠けている大地に、まず必要な成分を作り出すのです。

それが十分になると、自分はそこで生きるのに適さなくなり、次の役割を担う草に座を譲って消えてゆきます。次に生える草もまた、同様に生き、母なる大地をより豊かなものにしてゆくのです。草を刈ってのけてしまうと、その地面はたちまちがさがさになってしまいます。

木の世界も同様でしょう。
ひとも草を見習ったらいいのに・・といつも思います。