子供の頃、私はひとは皆、自分と同じようなのだと思っていました。
今ではひとは全て違い、同じ出来事を経験しても、その人にとってどういう経験であったかは丸きり違うものなのだと知っています。

この世の中で、ひとはそれぞれ全く異なる自分の世界を作っているのです。

「あるところに1人息子を持った農夫がいました。ある日その息子が立派な馬を捕まえてきたので、農夫は喜びました。ところが、息子はその馬から落ちてけがをしてしまい、足が不自由になってしまったのです。農夫は不幸を悲しみました。しばらくして戦いが始まりましたが、農夫の息子は足が不自由なので兵士にはなりませんでした。農夫は息子の命が危うくならないことを、とても嬉しく思いました。」

私たちの人生は、この物語のように続きます。
何が幸いで何が不幸か、ひとの判断ではわかりません。
時がたち、ずっと後になって意味のわかることもあるからです。ひとの視線では、わからないことも多いですね。

それでも私たちは行動し、また話すことによって、自分がどういう存在であるかを表明し、人生を生きる。皆それぞれに違った物語を紡いでゆくのです。