「今、ここにいること」ができていないと感じて、どうにもならないことがあります。
たいていは先の不安。ああなるのではないか・・こうなったらどうしよう・・。
頭が次から次へと考えてしまい止められなくて、よく見れば、ただ同じところをぐるぐる回っているだけなのです。

あるいは、やってしまったことを、こうすれば良かったのに、こうしておけばこんな事を考えなくても済んだのでは・・と。

いずれにしろ私は「今」に居ません。
過去のもう取り戻せないことを、何回もなぞってぐるぐる回っているだけ。
未来のまだそうならないかもしれないことに、胸がつぶれそうな思いをしているだけ。

ひとの頭は、自分で使っているように思いながら、結構自力で意識を使えていないものですね。

ずっと以前に一度だけ、50分間「今」の感覚に集中したことがあります。
まだ水温の低い外のプールで(なので泳ぐ人がいず、ぶつかる心配なし)泳いだ時です。
1.6mの深さがある50mプールで、太陽の光が底にゆらゆら美しい網目模様を描いていました。手がかく水の重さ、体を撫でてゆく水の柔らかさ、吐く息のコポコポいう音をただ感じながら美しい光の中を泳ぎました。

終わってあがったとき、私の体も心も素晴らしい感覚でじんじんしていました。
後にも先にもそのような感覚は、味わったことがありません。
あれ以降は、全くぶつかる心配のないプールで泳ぐことはなかったし、長時間「今」の感覚に集中できないでいるからです。