大部以前のことになりますが、野生のイルカと泳ぐワークショップに参加し、御蔵島へ行ったことがあります。船に乗って長い時間かかりました。その間ずっと海面を海鳥が飛んでいました。翼を休めることもなく飛び続ける姿にも感動したものです。

島へ着いて海へ入っても、交通事故で足を痛めていた私は他の人のように力強いキックはできず、大抵人とイルカに取り残されていました。けれど黒潮の海水が、豊かな命を含んでいることに驚き、感動していました。クラゲの幼生や数限りないミジンコのようなもの、コバルトブルーの小さな粒、赤い色のものなど、小さな細かい粒がつんつん・ちくちく・ふわふわと自分の回り、あたりいっぱいに動いているのでした。

夜には夜空に感動しました。天の川は煙るように天にあり、無数の星が見える様子は目が離せませんでした。本当の空はこうなんだ! 空を見つめていると吸い込まれるようで、宇宙空間にひとり浮かんでいるようで、しまいには道路に寝転んで夜空を見つめ続けました。たとえ都会にいてもこの空の下にいるのですが、それはやはり目にしないとわからないものなのでしょうね。

たとえようもなく豊かで、知りようもなく緻密に組まれた命の輪に支えられ、私たちは生きています。物質的なものだけでなくおそらく気づかなくとも、全てにつながり支えられて私たちは在るのでしょう。それに気づけないまま知識として入ってくるものに振り回されていると、迷子になってしまうのです。