植物が人の思いを知ってそれに答え、成長するというのは不思議なことです。
ルーサー・バーバンクという人は800品種を超える新しい植物を作りだしたそうですが、彼の作ったものの中に棘の無いサボテンがありました。

彼がインドの聖者ヨガナンダの訪問を受けたとき、この行者は彼を聖者のような人だと言いました。バーバンクはこの祝福にいたく感動したので、自分は棘なしサボテンを科学的な方法ではなくサボテンに語りかけることでつくりだしたのだと師に打ち明けました。

バーバンクは、ただ植物に愛情を与え、「身を守るための棘はいらないよ」と話しただけだというのです。彼の家には棘なしサボテンの株が今でも育っており、その葉の多くがハートの形をしているといいます。

昔、私はニセアカシアの木を愛していました。大きな棘のある木ですが、乳白色の房の花をつけて甘い香りを放つし、楕円の葉が茂って風に揺れる様子は美しいものでした。その小さな芽生えを鉢に入れて、長いこと置いていましたが、借家に住んだとき庭の片隅に植えました。

もう10月だったというのにそれは真冬に向かって伸び続け、たちまち平屋の屋根より高くなったのです。当然枝を広げ、隣の家に出っ張る分は切らねばなりません。南に延びると切らねばならない、枝は北へ伸ばしなさいと言い続けたら、その木は太い枝を北へ向かって伸ばしたのです。当時の私にとって、その木は大切な存在でした。