水にとっては4℃という大切な特異点があり、その温度から上下に離れる動きを負の勾配。上下の温度から4℃に近づく動きを正の勾配と呼びます。自然界では正の温度勾配は進化が創造的に進む時に重要な役割を果たし、負の勾配はエネルギー結合を弱め生体の構造を弛緩し、分解を進めるのです。

森林によって地表温度が雨より低く保たれないと(正の温度勾配がないと)、水は簡単には土にしみこめないのです。エネルギーや栄養は必ず熱い部分から冷たい部分へと移動するので、正の温度勾配は栄養分が植物の根まで上昇するためにも欠かせません。

また健康な川(栄養分を含み運ぶ)であれば、川岸の温度が水温より低ければ川岸の植生がその栄養を吸収できます。これによって土は肥沃になり地下水も育てられます。けれども川岸を保護してくれる樹木のおおいがないと、土の温度が水温よりも高くなり、栄養分は負の温度勾配によって逆に土壌から川に滲み出して流れ込み、その土地は不毛になってしまうのです。

川岸に木が茂らず、日光の当たる農場や畑といった人の手が入った土地を流れる距離が長いほど、川は塩類、化学肥料、殺虫剤で汚染され、不健全な水源になっていきます。

川は母なる地球の動脈なのです。私たちが川を真剣に手入れし、土手が過熱しないように守り、直線状にせずに川が自由にうねりながら流れられる(これも水の健康に欠かせない要素)ようにするなら、自然は本来持っている力を取り戻していくでしょう。

私たちの身体が脈動し生きており、その体表や身内に何億という命を抱えているように、地球も脈動し多くの命を養って生きているのです。私たちはがん細胞のようにふるまってはなりません。この地球の他に生きる場所などないのですから。この地球に存在する全ての生命とひとつなのですから。