「あめがふるとき ちょうちょはどこに」という絵本がありましたが、気温が急に下がり、毎日かなりの雨続きで虫の声はぐんと減ってゆき、きょうは誰も声をたてません。家の中に居て食べ物も手に入っている私とちがい、虫たちは雨を逃れるすべも身体を温めるすべも持ちません。

こう雨が続いては花の蜜も飲めないでしょう。みんなどこでどうしのいでいるのか。それとも、もう生き残るのは卵で、彼らと会うのは来年なのか。

まだ若かったので精一杯、毎日やっとの思いで暮らしていたころ、私を励ましてくれたのは鉢の花にやってくる小さな蜂やアブの類でした。長く冷たい冬が終わり、あたりの花にやって来る彼らを見ると、こんな小さな生き物もどこかで冬を越し守られて生きている、私もきっと大丈夫と思えたものです。
とても嬉しそうに夢中で花にもぐり、花粉だらけになっている様子は幸せと安心の象徴でした。

彼らはひとのように不安になりません。身体が不具合を起こして壊れても、私という存在はなくならない、またやって来ることもできるし身体から離れたら無条件の愛の中に戻る。そういうことを知ってからは、何かをしていないからといって不安になることもなくなりました。

努力して金持ちや資産家にならなくても、美しい容姿をもっていなくても、ひとと上手く話せなくても、良い点数をとらなくても、私は私で十分。あなたはあなたで十分、愛される価値があるのです。ただ虫が虫として活動しているだけで私の喜びとなったように、自分も在りたいと願います。