風が吹くと、コツン・・カシッ・・バラバラッと椎の実が落ちています。毎年この季節になると、落ちた実を拾って帰らずにはいられません。実の色があんまり綺麗だから。

いきいきとした焦げ茶色で、つやつやと光っています。そこへ緑の差し色の入ったものも。その緑も、草の緑ではなく多少うぐいす色っぽく、そこへ灰色の帽子をかむっているのです。これは生きている色で、とっておくと帽子は外れ、皆同じただの薄茶になってしまいます。

今年は気温もおかしく、雨ばかり多くて綺麗な色になった葉は少ないですが、この季節の桜の落ち葉も拾わずにいられないものです。深紅に染まり目をひくもの。多少明るめのもの。黄色のもの。赤に黄色が混じったもの。それを拾って、胸にとめられたら良いのになぁ・・といつも思います。

渋い木の実の色と赤い葉は、素晴らしく美しい自然の色です。
これをそのまま服にして身にまとえたら、どんなに素敵でしょうか。

また、秋は草も種をつけます。瓶洗いブラシのような穂をもった草があって、寒さに当たると濃い紫になったその穂の色も、何とも言えず見とれてしまう色でした。カラスウリの赤い実もぶら下がっています。それらの生きた色を見ていると、ひとは自然のなかの美しい色を、身にまといたいと思ってきたのだろうなぁと思います。

植物達はひとが何をしても天候がどうあっても、そのなかで自分のできるだけを発揮して生きており、いつも喜びと教えを与えてくれます。