二胡という楽器を習っています。この出会いも必然でした。楽器というよりも、その演奏家との出会いと言えるでしょう。

あまりにひどい大変なことばかりが続いて起こり、ある日ふと気づくと、もう何が起こっても平気!何でも来たら?という気持ちになっていました。ところが温かい陽ざしに、鉢の花に虫が来て嬉しそうにしている様子を見ても、心が躍りません。毎日がカラーでなく、白黒画面になっているような感じでした。

あるときTUTAYAでウェイウェイ・ウーの二胡のCDを借りました。それまでその楽器に何の知識もなく、なぜそのCDを借りたのか不思議です。帰ってそのCDを聴くと、何とも言えぬ気持ちになりました。

まるで目に見えない存在が共にいて、私の背中をそっとなででくれている、そんな感じがしたのです。いきなり涙が出てきました。何度も何度もくりかえし聴いて、泣けるだけ泣きました。気持ちが良くなるのですもの。

そうして落ち着いたとき、何をどうしたら良いのかはわからないまま、この音色のそばに行きたいという思いが湧きました。最初は少しでも近いところで習おうとしたのですが、他の人では違うのでした。

どうしてもこのウェイウェイ・ウーの二胡を習いたい、その一心で往復8時間の道のりを通い始めたのは、もう10年ほど前のことになりました。恩師は人も曲も愛そのものだと感じます。