日木流奈(ひき・るな)くんの「ひとが否定されないルール」「自分を完全肯定できますか」という本を読みました。彼が11才、13才のとき書いたものです。生まれたとき極小未熟児で腹壁破裂の状態だったため、3度の手術を受け、そのストレスで脳障害児になりました。

脳障害というのは自分の意志とは無関係に体が動いたり、普通と思われる動作をするのも困難であったり、つまりは使い用のない体に閉じ込められたような状態と言ったらよいのでしょうか。外から見ている人には、どうしようもない無能な存在のように思われがちです。

けれども内にある存在はとても思慮深く、普通の大人よりものごとを理解していて驚きます。彼にとって幸いだったのは、両親が彼を愛し、ほめたたえ、ひとの協力も得て大変なリハビリを続けたことでした。ドーマン法という能力開発研究所との出会いもあり、彼は自分の思いをそとに伝えることができるようになったのです。

ひとと比べられず、昨日の自分より今日の自分が良くなっていれば成功者として扱われ、尊重されてきたので心に空洞ができることもなく、自分は幸せだと彼は言っています。私たち普通の人間の方が、育つとき絶えず他と比べられ、失敗することをおそれています。

面白いのは「ひとりヨシヨシ」のすすめ。これは子どもより、むしろ子どもに接する大人に読んでほしい本かもしれませんね。

「先駆者たちの苦労を無駄にしないためにも、私はいつでも私ができることをしよう。命を懸けて人生を楽しもう。 私から始めること、だれもが『わたし』から始めること、それが平和への第一歩。 小さな心の宇宙が平和になれば、大きな宇宙と結びつき、やがて光あふれる世界になるだろう。」 「自分を完全肯定できますか」より